【歴史コラム】明治時代のサンタクロースは侍の姿をしていた・・・?(2024年12月14日更新)
こんにちは。
栃木の武将『藤原秀郷』をヒーローにする会運営事務局の歴史好き、ともえです。
はやいもので今年も残り1ヵ月を切りました。
イベントが盛りだくさんな年末年始にむけて浮き足立っている今日この頃です。
これから楽しみなイベントのひとつと言えば「クリスマス」!
”イエス・キリストのミサ”の意で、キリストの誕生を祝う降誕祭です。
さて、そんな西洋のイベントがどうして日本に伝わり、浸透していったのか。
なんとなく調べていると、おもしろい話をみつけました。
日本とクリスマスの歴史
日本にクリスマスの文化が伝わったのは、1552(天文21)年のこと。
山口県で宣教師たちが日本人信徒を招いて、キリストの降誕祭のミサを行ったことが最初と言われています。
しかし、江戸時代に入るとキリスト教弾圧があったため、広く知られることはありませんでした。
その後、明治期の開国にあわせてクリスマス文化が本格的に流入し、
1900(明治33)年
…横浜で創業し、現在まで続く(株)明治屋が銀座に出店し、クリスマス向け商品を販売。
1926(大正15)年
…12月25日に大正天皇が崩御。後に12月25日が大正天皇祭(休日)と定められる。
1950(昭和25)年頃
…不二家が「クリスマスケーキ」の販売をスタートする。
などなど、いろんなできごとをきっかけに、クリスマスは日本でも広く親しまれるようになっていたようです。
袴姿のサンタクロース??
クリスマスに欠かせない人物と言えば「サンタクロース」。
”白い口ひげをたくわえて真っ赤な服を来た恰幅の良いおじいさん”というイメージがありますが、クリスマスが日本であまり浸透していなかった明治期には、一風変わった姿のサンタクロースがいたのだとか…。
明治期にある女学校でクリスマス会が開催されました。
戸田忠厚という男性がサンタに扮し登場したのですが、その時の姿についてこんな記録が残っています。
「日本的に袴を着し、老人の白髯を長くつけた仮面を冠って居つた」
「大小を差し、大森カツラをかぶり、殿様風の身拵へ厳しき扮装」
袴姿に大小(打ち刀と脇差し)を差し、白いヒゲをつけた仮面とカツラをつけていた…?
なんとも日本テイストな出で立ち。
侍サンタクロース、とっても気になります。当時の写真があれば見てみたいですね。
しかし、このようなサンタクロースが登場するのはこれきりだったようです。
▼明治期に描かれたサンタクロース
進藤信義 (かえで) 著『さんたくろう』,教文館,明33.12. 国立国会図書館デジタルコレクション
おわりに
侍サンタクロース。その姿に想像を膨らませると共に、日本にクリスマスが浸透しきる以前、分からないながらも異国の文化に親しもうとした人の心に、なんだか素敵だな…とあたたかな気持ちになりました。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
ーーーーーーーーーー参考ーーーーーーーーーー
勝田彩香「明治大正期のクリスマス需要 サンタクロースの諸表象」 他
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