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桜の季節には桜餅を食べたい!
連日、新型コロナウィルスの報道ばかりで滅入るばかりですが、だからこそ手洗いなどの防御対策をしっかりとって、気持ちも体も負けないようにしたいものです。さて、弥生3月、桜の季節が近づいてきました。今年の桜はどこが最初に咲くだろう?とか、日頃はあまり花に興味がない私でも桜になると話は別で、開花が近づくにつれソワソワしてくるから不思議です。我らが栃木のヒーロー、武将「藤原秀郷」の末裔である歌人の「西行法師」も桜が好きで、奥州からの帰りに大田原の有名なしだれ桜を見て「盛りには などか若葉は今とても 心ひかるる糸桜かな」と詠んでいます。そんな風流な素養のない私にとっては「花より団子」というわけで、桜の季節になると食べたくなるのが桜餅(さくらもち)です。桜餅には関東風の「長命寺」と関西風の「道明寺」がありますが、私にとって馴染み深いのは、やはり関東風の「長命寺」です。これは享保2年(1717年)、隅田川沿いにある長命寺の門番・山本新六が、桜の落葉の処分から思いつき、桜の葉を塩漬けにして、薄い皮に餡を包んだものに巻いて売り出し大評判になった、という歴史ある春の和菓子です。今でも、隅田川沿い向島の長命寺門前で売られ、関東ではこのタイプの桜餅が主流です。最近は和菓子屋さんでどちらもよく見かけますから、お好みで選び、歌人西行の気分で、桜と一緒に味わってみるのも楽しいのではないでしょうか。
2020年3月1日
文 栃木の武将藤原秀郷をヒーローにする会 局長/岡田 康男
イラスト デザイナー/田代夏子
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