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【第21話】奥州合戦、小山3兄弟が一体となって奮戦(2022年12月2日 投稿)




水野先生コラム:21回目

ライター:『鎌倉殿と不都合な御家人たち 「鎌倉殿」の周りに集まった面々は、トラブルメーカーばかり?』(まんがびと)『小山殿の三兄弟』(ブイツーソリューション)、『藤原秀郷』(小学館スクウェア)著者・水野拓昌



小山3兄弟(小山朝政長沼宗政結城朝光)や従兄弟・下河辺行平は平家との戦いだけでなく、奥州合戦でも活躍します。平家との戦いは源範頼に従軍していたことが分かる程度で、『平家物語』などからは小山3兄弟の具体的な活躍は確認できません。小山一族の所領の多さや3兄弟の父・小山政光の大言壮語から手柄が多かったと想像できるだけです。奥州合戦については『吾妻鏡』に具体的な活動が記されています。「鎌倉殿」源頼朝が小山一族に大きな期待を寄せて戦闘場面でも起用していたことが分かります。







■ 出陣準備で秀郷流武芸にあやかる頼朝


1189年(文治5年)の奥州藤原氏攻め。頼朝はじっくり準備を進めます。

奥州征伐の祈祷をし、用意するものにも縁起を担いでいました。

旗は千葉常胤に新調させましたが、寸法は祖先・源頼義が前九年合戦で使用した旗と同サイズにしましたし、旗の絹は小山朝政が進上したものです。これは、小山氏の祖先・藤原秀郷平将門を滅ぼした縁起をわざわざ担いでいるのです。

また、第7話でも紹介しましたが、頼朝の鎧兜を新調したのは下河辺行平。

先陣を駆け、味方に後ろを見せる秀郷流の笠識(かさじるし)で頼朝を感心させました。『吾妻鏡』には、頼朝が小山一族を通して秀郷流武芸にあやかる場面がたびたびあり、小山氏を秀郷の子孫の本流と認識していたことが分かります。

7月19日、頼朝は大勢の御家人を引き連れて鎌倉を出陣しました。


■阿津賀志山での国衡攻め、泰衡捜索


東北一帯を支配し、事実上の独立を保っていた奥州藤原氏も、匿っていた源義経を攻め殺し、それをめぐる一族の内輪もめもあって内部崩壊の危機にありました。そこを狙ったように鎌倉勢が大挙襲来。藤原国衡(藤原泰衡の異母兄)を総大将に阿津賀志山(あつかしやま、福島県国見町の厚樫山)の山麓に防衛ラインを敷きます。8月8日早朝、両軍が激突。鎌倉軍は畠山重忠、結城朝光が中心となって第1次防衛ラインを突破します。結城朝光は兄・小山朝政の家来も率いて先陣を駆けました。

さらに8月10日、鎌倉の大軍は藤原国衡の守備本隊を総攻撃。ここでは小山朝政が畠山重忠らとともに奮戦しました。さらに結城朝光が宇都宮勢の紀清両党とともに藤原国衡の背後を奇襲し、国衡本隊が壊滅。藤原国衡は逃走中、和田義盛の矢を受け、畠山重忠の家臣・大串重親に首を取られました。

鎌倉軍はいよいよ奥州藤原氏の本拠地・平泉攻めに移りますが、防衛ライン崩壊で藤原泰衡は逃亡。鎌倉勢は泰衡の行方を探索し、小山朝政、長沼宗政、結城朝光と従兄弟の下河辺行平ら小山一族は頼朝の本隊とは別ルートで泰衡を捜索するなど重要な任務を任されます。


■関東と奥州の境界に3兄弟の所領


藤原泰衡は逃亡の末、家臣の裏切りにあい、奥州藤原氏はあっけなく滅亡します。『吾妻鏡』には現地での論功行賞で小山政光の家臣・保志黒次郎、永代六次、池次郎が頼朝に直接ほめられる場面があります。彼らは野木宮合戦に登場する保志秦三郎、水代六次、池二郎と同一人物か親族の可能性があります。小山政光本人は奥州合戦に出陣していません。彼らは小山政光の家臣であり、同時に小山3兄弟の家臣でもあるのです。長沼宗政、結城朝光はそれぞれ分家として独立していますが、軍勢としては小山3兄弟一体となって奥州合戦を戦ったとみられます。

また、小山3兄弟は奥州南端にそろって所領を得ます。奥州合戦での恩賞とみられ、小山朝政が菊田荘(福島県いわき市)、長沼宗政が長江荘(福島県南会津町など)、結城朝光が白河荘(福島県白河市)を手にしました。関東との境界線に当たり、小山3兄弟が関東の防衛ラインを敷いたのです。頼朝が寄せる信頼の大きさが分かります。

小山3兄弟は「譲状」などの史料によれば、全国各地に所領がありました。

なお、図にある所領は同時に所有していたとはかぎりません。例えば、小山朝政の播磨守護は梶原景時失脚後。長沼宗政の摂津守護は短期間で淡路守護に切り替わり、信濃・善光寺の地頭職は1210年(承元4年)に失います。結城朝光の肥後・小鳥荘も晩年に得た所領です。


【次回のコラムも乞うご期待!】


▼前回【第20話】のコラムを見る▼















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