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第 12 章

魔塔のいけにえ〈その1〉


 それは、学校の教室の三倍くらいの広さがある丸い部屋だった。
 ドアがある一部を除き、周囲の壁には展望台みたいに広くて大きな窓ガラスがはめてあるようだけど、その全てに黒いカーテンが下ろされていて外は見えない。
 カーテンの少し手前には、大小様々な形をしたカエルの置物がずらりと並べられ、それぞれの頭の上に太いロウソクが灯されている。天井にある電気照明はついていないから、部屋はほの暗い。
 わたしと渉くんは、黒いシートがしかれた大きな台の上に、並んで寝かされていた。手足はしばられたままだけれど、猿ぐつわはされてなくて口は自由に動く。部屋の中に、天馬たちの姿はなかった。
 渉くんは、まだ目を覚ましていない。
 台の隣には、仏具みたいに黒いウルシをぬった立派な壇がすえられていた。四隅に細い棒が立てられ、これにヒモをからませて四方を囲んでいる。その中央には炉があるのか、くべられたタキギから大きな炎が立ち上っていた。
 壇の前には、大人が一人座れるくらいの小さなタタミを乗せた台座があり、左右に黒ウルシの机が置かれている。机の上にはどれも金色で、ヤリの刃や十字架のような形の器具、お茶わんやさかづきみたいな器、柄の付いた鈴などが並べられ、この中にもカエルの人形がいくつもまじっていた。
 これは……祈とうをする場所?
「うう……」
 渉くんが、かすかにうめいた。
「相羽くん!………相羽くん?」
 こんどは自然に言葉が口から飛び出した。
「あ……ここは?……」
 何度目かの呼びかけで、渉くんは目をうっすらと開けた。
「たぶん、天馬のビルの中、七階の祈とう室だと思う」
「は……葉月さん?……」
「名前もおぼえてくれてたんだね」
 こんな最悪の状態に身を置かれてるっていうのに、それがうれしくて、自然とほおがゆるんでしまう。
「うん……おぼえてた」
 そう言ったきり、渉くんは口ごもった。
「どうしたの?」
「最初、イヤな子の名前としておぼえてたんだ……」
 やっぱり、そりゃそうだ。ついさっき、テンションがジェットコースターみたいに上がったかと思えば、今度は急速に落ち込んでいく。
「でもそれって、まちがってた」
 渉くんの意外な言葉が、わたしの胸の内に再びほんのりと灯りをともした。
「ぼく……君にあやまんなくちゃいけない……」
「え?」
「昨日、ビルの前でぼくに忠告してくれただろ?天馬に会っちゃダメだって。ひどいことをされるって。なのにぼくは、二度と話しかけてくるなとか、ちょっかい出すなとか、君を傷つけるような……」
「気にしないで。だって、そんな突拍子もない話、急にされたらだれだって同じような反応をするよ」
「いいや、君の言うことを聞かなかったから、結局こんな目に。しかも君まで巻き込んで……ホントに……ゴメン」
 渉くんの視線とわたしの視線が、ふんわりと交わった。
 わたし、何だかすごく照れてしまって、涙まで出そうになって……それをごまかすために、少し下くちびるをかみながら小さく首を横に振った。
 ずっとこの幸せな気持ちにひたっていたい……って、バカバカ!何のんきなことしてんのよ。どんどん最悪の状況に引き込まれてるっていうのに!わたしはとにかく気持ちを切り替え、頭の中を整理しようと努めた。
「ところで、相羽くんはいつ、やつらに?」
「毎朝、剣道の素振りをしに、あんまり人のこない近所の空き地に行くんだけど、そこで奥山と田宮につかまって、車の中に閉じ込められたんだ。親とネットでビデオ通話するために持たされてるスマホも、その時に取り上げられた。君は?」
「わたしは、立体駐車場の中で。天馬は、本物の呪術師よ。今から話すことだって、とても信じられないだろうけど、あいつは普通の人には見えない魔物を操る能力があるの。わたし、どうやらそういうのを見られる力があるらしくて、相羽くんの姿に化けた魔物におびき寄せられてつかまっちゃった」
 渉くんは、口をポカンと開けたままだまって聞いている。わたし、また先走っちゃったかしら……。だって、悪いやつらに誘かいされたってとこまでは事実としてわかってくれたとしても、見たこともない呪術とか魔物とかの話まですぐに理解してもらうのは……相手の立場になってみれば当然ムリだ。
「やっぱりわたし……サイコなんとかだよね?」
 情けなくて、思わず自分をあざ笑うような顔になってしまう。
「そんなことないよ!」
 渉くんの言葉に、わたしはハッとなった。
「確かに信じられない話だけど……でも葉月さんの言うことなら、信じようと思う」
 適当でも建前でもなく、彼の目はまじめそのものだった。
 遠くの、ずっと遠くの方にあった渉くんの心が、今すごく近くにあるような気がする。そこに手を伸ばせば、きっとぽかぽかあったかく感じるくらいの距離まで。
「相羽くん……」
 見つめ合ううち、顔が赤くなってるような気がしてきた。手を顔に当てられないからはっきりとはわからないけれど、でもたぶん。
「な〜んか、ませてるわね〜。子どものくせして、いい雰囲気じゃないの〜〜」
 からかう声がドアの方からして、わたしは顔を体ごとそちらへ向ける。
 天馬!その左右には竜二と田宮が従っていた。
 わたしたちの会話、こんなやつに聞かれてたかと思うと、はずかしいというより、腹が立ってしかたがない。
「せっかくのところをじゃましちゃって申し訳ないんだけど、あたしたちもあんまりゆっくりしてられないからゆるしてね〜」
 ニヤニヤしながら近寄ってくる天馬は、真っ黒な着物に着替えている。
 辛抱できず、わたしの感情は爆発した。
「どうしてこんなことをするの!今すぐわたしたちの手足を自由にして、ここから出しなさい!」
 天馬はうで組みし、首を少しかしげる。
「それはできないわね。あなたたちはこれから行う儀式で、かけがえのないいけにえになってもらうんですもの」
 天馬のぞっとするような視線が、わたしたちに注がれた。
 い・け・に・え?
 一瞬、頭の中が真っ白になる。この人、何を言ってるの?
 いけにえって、昔神様に願いを聞いてもらうために生きた動物とかを殺して供えた……あれのこと?車の中で田宮が言ってた「みつぎ物」って、そういうことだったの?
「そ、そんな……バカみたいなこと、陰陽師がしていいの?陰陽道って、国を平和にするためのものじゃないの?」
 問いかけるわたしの声は、動揺でふるえている。
「陰陽師?あたしが?それ、だれが言ったの?あたしは陰陽師なんかじゃないわ。暗黒密教を会得した修験者(しゅげんじゃ)を祖先に持ち、その特殊な力を代々継承してきた末えいなんだから」
「何、それ?暗黒密教とか、修験者とか」
 渉くんが口をはさむ。
 聞いてほしいことだったのか、天馬はうれしそうに語り始めた。
「密教とは、今から千二百年以上前、インドから伝わった仏教における秘密の教え。陰陽師が使う呪術は、密教を取り入れたものだから、歴史は密教の方がずっと古いのよ。修験者というのは、この密教に、山を神聖視し、崇拝の対象とする山岳信仰を取り入れた修験道の実践者。日本各地の霊山を修行の場とするから、山伏(やまぶし)とも呼ばれたの。修験道を確立した有能な修験者の中には、超自然的な能力を身に付けた者もいた。そして、この能力に一際優れ、しかも自らの栄達を強く望んだある修験者は、密教で本来は禁じられている闇の力を引き出す呪術を編み出し、それを暗黒密教と名付けた。天下国家のためでなく、おのれの我欲を実現させるための法術ね。彼と、彼のひとにぎりの弟子たちは歴史の表舞台に決して出てこなかったけれど、その時代時代の欲深い有力者に保護され、その見返りとして術を使い、相手の栄達をサポートしてきた。歴史上の有名な人物の中には、元気だったのに原因がわからず突然死したり、ぽっくり病死したりした人がけっこういるのよ。そのいくつかは、彼らのしわざ。あたしのご先祖様は、この暗黒密教を後世に伝えた弟子の血筋なの」
 そう言われてみれば、歴史の本を読んでいて原因不明の死に方をしてる偉人や有名な人物って、わたしが知るだけでも何人かいたような気がする。その黒幕が、天馬の先祖?……。
「けどねぇ、クライアントの依頼を受けて人を暗殺するなんてチンケな仕事に、せっかくの暗黒密教をあたしは使いたくないのよ」
「勝手なこと言うな!じゃあ、何をするっていうんだ!ぼくらをこんなとこに監禁して!」
 渉くんが、怒りをぶちまける。
「あら、またいいことを聞いてくれたわね〜。いいでしょう、あなたたちには特別に全部教えてあげるわ。だって、知る権利があるんだもの。あたしのために命をささげてくれるんだから」
 「いけにえ」と聞き、まさかとは思っていたけれど、今はっきり「命をささげて」と言われ、さーっと血の気が引いていく。こいつは、本当にわたしたちの命を奪おうとしている……。
 渉くんも、ショックで言葉が出ないようだ。
 台の横まで来た天馬は、寝かせられているわたしたちを上機嫌で見下ろした。
「あなたたち、龍脈って知ってる?」
 りゅうみゃく?……。聞いたこともない言葉だから、何もイメージできない。
 わたしたちがだまったままなので、天馬は話を進めた。
「漢字を直訳すると、ドラゴンの血管っていう意味なんだけど、東京には富士山から日本最大の龍脈、つまり大地の気の流れ、目には見えない強大なエネルギーラインが入り込んできてるのよ。その流れの終着点が、都心の中心部にある皇居。龍脈を通じて流れるエネルギーの集約地は龍穴(りゅうけつ)と呼ばれ、その場所に大いなる繁栄をもたらしてきたと言われているわ。でも、大地の気というものはね、何があっても変わらない固定されたものじゃなく、地形や環境の変化によって強くもなれば弱くもなるし、移動することもある」
 言いながら、天馬は壇の前に移動し、炉の中に長さ二十センチほどの新しい木材をくべた。少し弱くなっていた炎が、再び強く立ち上る。
「東京の都心部では、歴史上かつてない巨大なビル群があちこちにでき、地表だけでなく地下にも穴を掘って鉄道を網の目のように走らせるようになったから、龍脈にも大きな影響を及ぼして、エネルギーラインを少しずつゆがめてきたの。しかも、このところ東日本では大きな地震が絶え間なく起こるようになったから、皇居の龍穴はかなり不安定になってる。だからね、とってもいいアイデアを思い付いちゃったのよ。あたしの力をフル活用すればできそうな」
 天馬は、壇の下に置いてあった長い棒のような道具を手に取った。
 でも、単なる棒じゃない。長さが一・五メートルほどで、少し反りのある……それはテレビや絵でしか見たことのない日本刀だった。
「あたしは幼い頃から、そこら辺の子とはちがってた。直感が鋭くて、人のオーラが見え、霊だけでなく人間の姿形をしてない精霊や魔物とだって話ができた。こんなこと言っても、修験者の血を引く家族以外、だれ一人信じてくれない。学校では『ウソつきの変わり者』ってレッテルをはられて、あたしはいじめるのにおあつらえ向きの標的になった。だからずっと学校にはなじめず、友だちもできず、つらくてひとりぼっちの少年時代を過ごしたのよ。両親は早死にしてね、金物屋を営んでた祖父が代々密かに引き継がれてきた暗黒密教の修行を小さい頃からあたしにさせてきた。暗黒密教を伝承文化と割り切って一度も自分のために使わなかった善人の祖父が病死した後、あたしはさらなる修行に没頭し、納得できる力を得て、意気ようようと東京に出てきたわ。テレビに出て名前を売るため、大手芸能事務所のオーディションをいくつも受けたけど、どこも引っかからなかった。ちょうど、有名霊能者のインチキ鑑定が雑誌で暴露されて、スピリチュアルブームが一気に下火になった時だったから。それで仕方なく、秋葉原で細々と占い師をやってた時、たまたま田宮と奥山に出会ったの」
 天馬に視線を送られ、田宮がニタリとうなずく。
「神田や秋葉原界わいで悪さばっかりしてた半グレのおれたちが、裏の商売にしくじって、その筋の連中から落とし前をつけるよう迫られてた時、魔法みたいな力を見せて助けてくれたのが天馬先生でな。おれたちは、この人に一生ついていこうと決めたんだ。それからは、先生の発案で、先生のためだけの芸能事務所を設立し、先生の助言どおりに手足となって動くことで、マスコミや芸能界の裏の実力者ともパイプを築いた。おれたちと先生は、切っても切れない関係なんだよ」
 天馬が話を引きつぐ。
「田宮と奥山があたしの指示をよく聞いて働いてくれたから、五年前にテレビのバラエティ番組で初めて出演オファーがきて、やっと日の目を見られたわ。スピリチュアルブームも復活し、それからは一気にブレイクしてそこそこのお金をかせげるようになり、この自社ビルも手に入れた。でもその程度の富裕層なら、日本どころか東京都内にだっていくらでもいるでしょ。あたしは特別な能力を持った特別な人間なんだから、特別なことをしても許されるし、特別な富を持ったって何もおかしくない」
 自分では聞こえがいいことを言ってるようだけど、中身は勝手で無茶苦茶だ。
「この建物は暗黒密教の教えからヒントを得て、霊的エネルギーを最もスムーズに取り込めるよう、山と塔の形をモチーフにしたデザインなのよ。ちなみに、あなたたちがいるこのフロアは一番上の七階。特別な富を手に入れるために、まずあたしがやったのは、東京のあらゆる土地や道ばたや家々に眠るあまたの土公神(どこうしん)、地神(ちじん)、産土神(うぶすながみ)、荒神( こうじん)、道祖神(どうそしん)といった神霊に祈りをささげ、その力を借り、大量の霊的エネルギーを消費して、このビル全体に強力な結界をはること。あたしが持ってる霊力だけじゃ足りないから、強いエネルギーを持ってる大勢の人間からどんどん拝借して、長い時間をかけてようやくね。幼稚園から小学校に通ってるくらいの子って、大人よりもずっと強いエネルギーを持ってるんだけど、個体差があるでしょ。効率よくエネルギーをもらうために、田宮たちに子ども向けのイベントを関東で何度も開催させて、会場の見えない場所からあたしがピックアップした力の強い子だけに声をかけさせ、ここに呼び寄せてたの」
「表向きは『特別こども鑑定大会』っていうことにして……」
 口をはさんだわたしに、天馬は目を細めて応えた。
「あたしって有名だから、タダで鑑定してあげるって言えば、子どもも親も大喜びで来てくれるんですもの。獲物が向こうからやってきてくれるなんて、よくできたシステムでしょ?あたしは手がふれるくらいの距離に近付くだけで、他人の霊的エネルギーを簡単に自分の体の中に取り込める。そうやってたくさんの力をちょうだいし、ビルの結界を完成させた後に、さっき言いかけたとってもいいアイデアが浮かんだの。今やろうとしてる一大プロジェクト。何だと思う?」
 わたしと渉くんを交互にのぞき込んだ天馬は、ドヤ顔でふんぞり返る。
「わかりっこないか。ポイントは、龍脈と龍穴。これらが不安定な状況なら、外からある程度のショックを与えるだけで、位置を少しくらいずらせるんじゃないかってね。このビルは皇居から北東に一キロちょっとの場所……つまり、龍脈を少し北にずらして、エネルギーラインがここに注ぎ込むよう細工すれば……天馬ビルは龍穴になっちゃうのよ!どう?すごいでしょ!」
 わたしが読んだイギリスの怪奇小説に「フランケンシュタイン」があるんだけど、得意顔で話す天馬の表情と、この物語で人造人間を完成させようとしてる科学者の姿とがダブって見えた。とても正気の人とは思えない。だけど、このマトモじゃない話は、まだ続いた。
「皇居のちょうど東隣には、平将門の首塚があるのよ。知ってる?」
 ここで平将門が出てくるなんて!わたしも渉くんも、将門についてある程度の知識は持ってる。でもそれが、どう関わってるのだろう。わたしたちは、じっと耳を傾ける。
「平将門は千年以上昔に関東で反乱を起こして殺された有名な武者だけど、その首を埋めた塚には志なかばで倒れた将門の強いうらみの念が封じ込められている。長い歳月の間に非業の死をとげた人や、うらみをもって他界した人たちの念が慕うように自然と集まり、大きな負のエネルギーで磁場を形成しているの。だから、その力を借りようと思ったのよ。首塚にお供えしてあるたくさんのカエルの置物の中から、磁場の影響をいっぱい受けて、地下にたまってる巨大な怨念とのコンタクトに役立ちそうなのをいくつか選んで、だまってここに持って来ちゃった〜〜」
 日本刀を左手で持ち、天馬は机の上にあるカエル人形たちの頭を右手で愛おしそうになでていく。
「ホントは平将門とカエルって、直接は何の関係もないんだけど、京都まで持って行かれた首が、自分の体を求めて関東まで飛んで帰ったことから、『首は必ず帰る』の『帰る』をシャレて、首塚に「カエル」の置物が供えられるようになったの。行方がわからなくなった家族が家に帰ってこられるように、低い地位に落とされた人が元の地位に帰ってこられるように、っていう願いをこめて。現代に入ってからも、何十年か前に海外で日本人の誘かい事件が起きた時、家族や関係者がカエルの置物をお供えし、結局無事に戻ってこられたことが話題になって、『帰る』ご利益を求める人たちの数はますます増え、首塚はカエルだらけになっちゃった。こうなると、カエルの置物には大勢の人の強い念が入り込み、地下の怨念とも結び付いて表裏一体の関係になったのよね〜」
 そう言えば、天馬ビルの一階には、大きなカエルの石像もあった。カエルは、平将門と結び付いていた。だから、トウタはあれを見た時、どこかしっくりしない感覚にとらわれたんだ。自分と因縁の深い将門のにおいみたいなものを、何とはなしに感じ取っていたんだろう。
「机の上の置物は首塚に実際あった物だけど、天馬冬樹ビルを第二の首塚として位置付けるためには少なすぎるから、この階の窓際全体とか、七階以外の各フロアにもカエルの人形やオブジェをたくさん買いそろえたわ。そうして、体に十分蓄えた霊的エネルギーで将門と、彼の元に集まった死霊たちの怨念の力も借りて龍脈を動かそうとしたんだけど……できなかった。まだ全然エネルギーが足りないのよ。すると、首塚の地下にある怨念たちから、テレパシーみたいな形でメッセージが伝わってきたの。『いけにえを出せば、願いをかなえてやる』ってね。古来、神々でさえ、最も喜ぶみつぎ物と言えば、生身の人間のいけにえですもん。そりゃ当然よ〜」
 天馬はうすら笑いしつつ、さやからサーッと刀を抜いた。

第12章〈その1〉挿絵
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